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「THE BADGE IS HERE !!」Vol. 11(1984年1月)

THE BADGE IS HERE !!

FREE TALK VOL.6

MEGUMI SUZUKI

― UNION JACKに魅せられた少女のひとり言 ―

 お待たせしました、村の時間の……イヤ失礼。しかし、こういう記事を書くのも半年振りですよ。
THE BADGE IS HERE!! は創刊して1年になるわけですが、私はその発起人でありまして、ところが83年6月で足を洗っちゃったんですね。これには色々わけありで、プライベートな面 でその時期転職したり云々というのもありますが、一番大きな理由は、THE BADGE IS HERE!! がお陰様でTHE BADGEの当時の所属事務所をはじめ、業界の……というのはちょっとオーバーかな、クロウトの方に結構好評だったんですね。で、その編集スタッフということでどうしても事務所の方なんかとコンタクトをとらなくてはいけないわけで、そのうちお客様サイドに居にくくなったわけです。そういう立場で見るTHE BADGEのLIVEのつまらなさって、あなたわかります? まあファンクラブのスタッフとかいうんじゃなかったから、何やってても大したプレッシャーはないんですが、最前列で先頭切って踊れる雰囲気じゃないわけですよ。やっぱり……。それで私は曲が演奏されたら踊れて、MCになったらヤジをとばして奇声を発することができる方が楽しいと思ってスタッフを降りたんですね。
 さて、せっかくのFREE TALKのコーナーですから、この際いいたい放題私事を並べてみたいと思います。でもありきたりなんですね、内容は。「私とTHE BADGEの出会い」ナンチャッテ……。
 これはいきなりメンバーと直接すれ違うところからはじまるんですね。1981年、夏から秋にかけてですが、当時私もドシロウトバンドを組んでいて、その秋の学園祭に向けてあるスタジオで練習しておりました。そのスタジオで、まだTHE RAINの頃のメンバーと、実際の動作として「すれ違った」んですね。なんせ狭いスタジオでしたから……。その時、手前どものヴォーカリストが「リンドン」のファンだったそうで、田中さんを見るなり顔を赤らめ「あの人ね……」。で、THE RAINがどんなバンドかわかったわけです。ちょっと話はそれますが、その時の彼女の発言「私が中学2年の時だから……今、信昭さん29歳でしょう、エー、あの人まだロックやってるのー!?」。失礼しました。
 初めてTHE RAINの音を聴いたのは、その年の大晦日、Egg-ManのALL NIGHT LIVEでした。出るバンド出るバンドみんなアメリカン・ハードかフュージョンみたいで、ロンドン大好き少女の私と仲間がいささかうんざりしていたところ、「次はTHE RAINです」。「THE RAIN……どっかで聞いた名前じゃない?」と言っているうちに出てきたメンバーは3人とも黒のスーツでバチッ! おお、なんとTHE JAMのLP"In The City"のジャケットそのもの! おまけに黒曜石のごとく輝くリッケンバッカー。「頼むぜおい!」の期待にTHE RAINは応えてくれました。"No Reply"でオー! と拍手。最後に"Heat Wave"でヤッター!! 案の定という苦笑と嬉しさとが入り交じってもうキャアキャア騒いでましたね。明けて1982年、THE JAM 3度目の来日公演のチケットを買いにヴァンプロダクションの前に並んだのは3月中旬のことです。その時のファン同士の話題は、もっぱらサポーティングアクトのこと。前年はTHE MODSで、グループ名にはふさわしくないルックスながらもそれはそれでビートの効いためんたいロックとして受け入れられ、今回THE MODS V2なるか、それともどこかの駆け出しバンドなのか、全く畑違いのシンセバンドとか……。そして新聞紙上にサポートが掲載されたのは5月はじめ頃だったでしょうか。自分の持っている6月16日、日本青年館のチケットと誌面 を照らし合わせると、なんと「THE BADGE」。これこそ「エー!? ウッソー!? ホントー!?」の世界でした。思わず仲間に「信昭さんのバンド、JAMのサポートするんだよー!!」と電話をかけまくりました。ここで一言付け加えておくと、その頃の私たちの認識としては「THE BADGE」というより「信昭さんのバンド」だったのです。
 日本青年館で半年ぶりにTHE RAINからTHE BADGEに変わった3人の演奏を聴きました。それ以来1年半……。THE BADGEというウイルスに冒され不治の病に伏しております、ハイ。

― 追 記 ―
 例えば、演歌や歌謡曲だと30歳、40歳になっても味わい深くなったとか、円熟味を増したとかいって賞賛されるのに、ロックの場合、「まだ」とか「いまだに」とか下手すると「年甲斐もなく」……と言われる日本では、「ロックは若者の音楽」という概念がそれこそいまだにはびこっている。これはまだ、ロックが市民権を得ていない証拠なのだ。だから今、ロック畑で現役しているミュージシャンには頑張って欲しい。海の向こうでは、ミック・ジャガーが今もアメフトルックでぴょんぴょん飛び跳ねているのだから。

©1984 T.B.I.H. Factory, Megumi Suzuki

表紙 | P2 川崎哲インタビュー | P3 FREE TALK | 編集後記

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