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「99 CLUB」新装版 Vol. 2(1985年4月)

99 CLUB

川崎哲インタビュー

―― 何故、ドラムを叩き始めたのですか。
川崎
 人が叩いているのを見るだけで、気持ちよさそうだったんですよ。ルックスとか、思い入れみたいな事だけで始めてしまったので苦労しましたね。
―― 具体的には?
川崎
 基礎のリズム・パターンのようなのをまったくやっていなかったんです。ちょっと練習してコンサートもいきなりだったんで、バスドラとベースがどうのこうのなんて全然おかまいなしでした。
―― 練習と言うと?
川崎
 集まって、スタジオでちょちょっとやっていただけです。
―― それでなんとかなったんですか。
川崎
 いつもテレビでドラムを気をつけて見ていたせいか、初めてドラム・セットの前に座った時もいきなり叩けてしまったんです。それが、かえって良くなかったのかもしれませんね。
―― その頃聴いていたドラマーは?
川崎
 色々聴いていましたけど、ジョン・ボーナムが一番好きでしたね。
―― 本格的な練習を始めたのは?
川崎
 The BADGEになってからもしばらくは、自分の部屋でタオルでミュートして叩いていました。その頃はレコードのコピーが多かったですね。フレーズを練習してから、自分達のオリジナルに当てはめて考えると言った様な。完全な自己流ですよ。
―― チューニングも?
川崎
 はい。初めはまったくできなくて、人にやってもらっていたんですよ。今でも苦労しますね。僕の好みの音と周りの人の意見とのギャップに悩んだり。僕は、結構胴鳴りの“ドーン”みたいのが好きで、ミュートはあまりしませんね。
―― 最近流行のリズム・マシンやエレクトロニック・ドラムに関しては、どの様に考えていますか。
川崎
 エレクトロニック・ドラムには凄く興味があります。是非、レコーディングで使ってみたいですよね。でもルックス的には、あのセットで3人でやっていると冷めた感じになるんじゃないかな。メンバーにも「イメージが変わるからやめろ」って反対されましたよ。ライヴでは、タム・パッド2〜3枚を効果 音的に使う方法はあると思います。リズム・マシンについては、それがThe BADGEにとって良いかどうかは別 にして、一度は使ってみたいですね。食わず嫌いはしたくありませんから。
―― ドラミングについてのポリシーは?
川崎
 ハデにタムを回してオカズを一杯入れるのは、あまり好きじゃないんです。ベーシックでタイトなリズムを一番に考えて、バンドのドライヴ感みたいなものを大切にしています。やっぱりドラムはバンドを支えるものだと思いますよ。
―― 川崎さんが感じているドラムの魅力は?
川崎
 発散できると言う点ではスポーツって言うイメージもあります。でもそれだけじゃ他のスポーツをやっていればいいって事になるかもしれないけど……。でもそれ以上にドラムはチューニング次第で色んな音色が出せるので、大変に奥深い楽器だ、と言うところですね。
―― ところで、何かドラムに関するエピソードがあったら紹介してくれますか。
川崎
 新宿のロフトで、演奏中に左腕が脱臼したんです。まったく動かなくなって、涙が出るくらい痛かったですね。ソデにいたスタッフに「入れろっ」と言ってグーッと入れてもらったんですけど、最後は右手だけで叩いていました。今でもツアーが続いたりすると、左腕が黒ずんできたりするんですよね。早く病院に行かないとね。それから、名古屋のライヴの時の事ですけど、中村がステージの上で飛び上がったんですよ。降りた所がシンバル・スタンドの足の上で、3本のシンバルが一斉に僕の方に倒れてきたんです。もろに顔に当たって、痛いのなんのって。「このー」っと思って中村を見たら、捻挫をして倒れていたんですよ。足が象みたいに腫れ上がっていて、涙ぐみながらもギター弾いていたんで、こっちの事はどっかに飛んで行きましたけど……。あれで平気な顔をしていたら「どうしてくれるんだ」って事になっていたでしょうけどね。
―― ドラムがうまくなるための秘訣は?
川崎
 そんなに器用な方じゃないから、うまくなるには繰り返ししかありませんね。そしてリズム・マシンで確認しながらとか、みんなと一緒にやって、色々と言ってもらうとか、常にチェックしていく事です。
―― 将来的には?
川崎
 今のところ、セットをどうこうと言う気はないですね。エレクトロニック・ドラムはちょっと使ってみたいとも思いますが、The BADGEの場合、3点セットでも十分な気がします。いいメロディにはドラムのオカズが絡まるのは良くないでしょう。ドラマーって根本的に目立ちたがりやだとおもうんですけど、The BADGEでは必要ではない。コンパクトでいいんです。
―― これから川崎さんの様なドラマーを目指そうとする人にアドバイスをお願いします。
川崎
 The BADGEの様なビート・ロックにかかわらず、「ドラムはビートがすべてだ」と言う事です。ドラムがしっかりしていないと、バンドが死ぬ と言う事を意識するべきだと思います。

インタビュー協力/DRUMS MAGAZINE

©1985 99 CLUB, Tetsu Kawasaki

表紙 | P2-3(中村昭二コラム)| P4-5(田中信昭インタビュー1/3)| P6-7(田中信昭インタビュー2/3)
P8(田中信昭インタビュー3/3)| P9(川崎哲インタビュー)| P10-11(次号予告)

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