「99 CLUB」新装版 Vol. 2(1985年4月)

“3人でしか出せない躍動感、緊迫感の音なんです。”
―― バンドの形が、ギターとドラムスとベースという最小限度のものだけど、3人でやってこうというのは?
「最初は3人じゃなかったんですよね。中村が友達とか連れてきて、4人でやってて、そのうちいろんなこととかあって、結局最終的に残ったのはこの3人で。そしたらもう、意地でも3人でやってこうと(笑)。その後もサイドギターを入れたりとかあったんですけどね、そしたらね、4人になると初めて3人でしか出せない音、躍動感とか緊迫感みたいなのが分かったんですね。それでまた3人に戻って……」
―― 一番伝わり易いビートが、3人編成だみたいなね。
「うん。それぞれはっきり歌が浮かび上がってくるのね。もっと演奏がうまくなったら、もっと歌が生きてくるんだろうけど(笑)」
―― バンドやってく中で一番大切にしていることは、お互いのコミュニケーション?
「よく分かんないけどね。やっぱり信頼し合って……。バンドって自分の持ってる以上のことをやれることもあるし、自分を殺してしまわなきゃいけないところもあるからね。慣れ合いだったらいいものもできないしね、絶対。ただ正直言って、僕らどこまでやっていけるかって、本当分かんないし。いいもの作っていくしかないと思ってますよ。」
―― ライブハウスでやってて、お客さんが盛り上がらなかったりすると、挑発してやろうとかって気持ち出てきたりする?
「その辺は中村が爆発するね。一番嬉しいのは、踊ってくれなくても、身体が動き出してくれれば、それでいいんじゃないかってね。僕らもずっとライブハウスでやってきたわけでしょ、そうすると、最後絶対盛り上げなくちゃいけないみたいなのが出てきてね(笑)。だから、何千人のホールじゃなくても、何百人の所でいいから、ホールでやってみたい、それが今一番やりたいことですね。」
―― ただ踊って、ノッて、それだけじゃない何かを残したいっていうのもあるわけでしょ。
「……。僕の場合、いい年の男がね(笑)、飛びあがって、ギター持ってね、バンド演ってること自体1つのメッセージだと思ってるんですよ。今言えるのはそれだけですね。飛び上がれなくなったら、やめようと思ってますけどね(笑)。」
―― 飛びあがる高さが最近低くなってる(マネジャー)(一同爆笑)。
「(笑)。それで飛び上がったら、よく間違えるんだ(笑)。」
“バンドのカッコ良さを教えてくれたのがビートルズなんです。”
―― 中学や高校の多感期の頃聴いて影響受けたり、人生変わった、みたいなレコードってあります?
「やっぱレコードより、ビートルズの『ヤァ! ヤァ! ヤァ!』の映画だったね。60年代にビートバンドとかいろいろ出たでしょ、ビートルズを中心に。バンドのカッコ良さを教えてくれたのが、あの頃のイギリスのバンドだったから。だからBADGEの3人の共通
点は60年代のリバプール・サウンドなんだよね。結構その後聴いてんのは全然違うんだけど。
でもその頃のバンドが好きだからといっても、自分達のサウンドは絶対ノスタルジックなものにはしたくないね。最初日本でもNOBODYとか出てきた頃、あーいいね、って思うんだけど、やっぱり聴いてて物足りない。といって、モッズとかパンクでもないし。ビートがきいてて、メロディーがグッとくるという、それでコーラスがいかしている。で、歌詞は今を歌ってるっていうのが、一番いいんだけど、難しいね。」
――(プレス用の宣伝)パンフの中で、エリック・カルメン(ラズベリーズ)好きって書いてたの田中さんでしたっけ?
「中村。でももうみんな好き、ラズベリーズは。うん。メロディがいいんだもん」
―― ほろってくるようなメロディ。
「でしょ。ビートルズがなんで好きかっていったら、やっぱり哀愁があるんですよ。だから、オフ・コースなんかも最初の頃は好きでしたよ。『眠れぬ
夜』とか。ベイシティー・ローラーズも最初出てきた時、僕が幼かったのか、ワァー久しぶりにオレ好みのバンド!
と思ったもん。でも来日して最低でしたね、あれは(笑)。」
“やっぱりいいものだけが残って行くんですよ”
―― これからのBADGEの方向性、抱負をひとつ、どうぞ。
「TVのベストテン番組を塗り変えたいみたいのって、やっぱりあるね。今までいろんなバンドが出てきて見てるけど、ダメなバンド、作られたバンドは、本当に面
白いくらいにポシャっていったしね。やっぱりいいものだけが残ってきてると思うし。アルフィーなんかも、僕達、東京出てきて、一緒にデパートの屋上でウルトラマンとやってた連中だもん(笑)。ロケッツの誠ちゃんにしても、モッズの森山にしてもね。」
―― 今、その辺の交流はあるの?
「ほとんどないね。仕事で会うぐらい。だから、今オレ達のやれることって、自分達のいいと思う曲、レコードにして出していくということだと思うし。あと、でかいイベントとかにもどぉんどぉん出てね(笑)。
大晦日のロック・フェスティバルとかあるでしょ。いいバンド全然出てないんだもん。勝てると思っちゃうからね(笑)。」
―― では最後に、中村さんと川崎さんに言いたいことがありましたら。
「これからもがんばってねぇー(笑)。」
――(爆笑)。(次ページに続く)